分かりやすい回答をもらうための質問の仕方
仕事をするときや面接のときなど、相手に質問をしなければならないことはたくさんあります。しかし、せっかく質問をしても見当違いな答えが返って来たり、自分が知りたいことを何度聞いても教えてもらえないときってありますよね。
それは、あなた自身の質問の仕方に問題があるのかもしれません。
漠然とした質問をしていませんか?
分かりやすい答えが欲しいなら、質問も分かりやすくしなければなりません。漠然とした質問に対しては、漠然とした答えしか返ってこないからです。
たとえば、「どうしたら先輩みたいに成績が良くなりますか?」と質問しても、先輩は漠然とした答えしか言えません。成績を上げるために、おそらく先輩はいろんな努力をされているでしょうし、いろんな工夫もされているでしょう。しかし、こんな漠然とした質問に対して自分が努力したり工夫していることに関して一からすべて説明するのも大変ですし、長くなりすぎてしまいますから、先輩も簡潔に答えようとします。その結果、「いつもお客様のことを考えて、一所懸命提案することだよ」など、漠然とした回答になってしまうわけです。
その答えを聞いて、「先輩はちゃんと教えてくれない! きっと、自分のやり方を他の人に教えたくないんだ!」なんて、否定的にとらえてはいけないのです。
詳しい答えが欲しいなら、質問の内容も具体的にする必要があります。そのためには、まずは質問を細分化しましょう。成績を上げるための方法を知りたいとしても、一般的な成績の上げ方は自分でも分かりますよね。「できるだけたくさんの人に会って分母を増やす」とか「見込み客を正確に見分けて、見込み客に対して集中的にアプローチする」とか、やるべきことはあなた自身も分かっているはず。ただ、もっと具体的に知りたいし、成績の良い先輩のやり方を聞いてみたいんですよね。それなら、「成績をアップさせるためになるべくたくさんの人に会って話したいんですが、先輩はどうやってアポをとってるんですか?」というように、具体的に・かつ質問内容を絞り込んで質問してみましょう。
仕事の指示をもらったときに質問する場合も同じです。上司側も、「ちゃんと指示したはずなのに仕上がりが違う」という悩みを持っている人が多いものです。もちろん、指示自体に問題があるケースも少なくないのですが、それに対する質問がマズかったために、余計に混乱して上司の意図することと離れてしまうこともあります。
質問をするときには、具体的で、ピンポイントに絞った質問を意識するようにしましょう。
質問の意図を伝えていますか?
質問は、ただ聞けばいいというものではありません。こちらがなぜそのような質問をするのかを伝えていなければ、望む答えは返ってきません。
先輩に仕事の仕方を教わりたいとき、「どうして先輩はそんなに頑張れるんですか?」みたいに聞いてしまったら、先輩にはあなたの意図が伝わらない可能性があります。あなたは、「先輩みたいになりたいから、先輩のように頑張るにはどうすればいいのか教えて欲しい」という気持ちで質問していたとしても、先輩は別の受け取り方をする可能性があるのです。たとえば、「業績が上がっても大して給料も上がらないのに、どうしてそんなに必死なんですか? バカなんですか?」みたいに、マイナスの意味で受けとられてしまうかもしれません。
ポン、と軽く発した質問がまったく逆の意味にとられてしまうことは珍しいことではありません。仕事に関する悩みに多い人間関係のトラブルも、こんな些細な感情の行き違いがきっかけだったりしますよね。
こちらの意図を正確に伝えるには、ただ質問文をぶつけるだけではなく、どのような意図でその質問をしているのかも、相手に伝えるように意識してみましょう。「わたしも先輩みたいにしっかりノルマを達成できるようになりたいんですが、」というように、どうしてその質問をするのか、きちんと伝わる言い方をしてくださいね。