実践! 最低限必要な生活費を計算してみよう
仕事を探す上では、お給料がいくらもらえるのか、ということもとても大切です。お給料は多いに越したことはありませんが、高収入の仕事はそもそも採用されにくいですし、収入が多くても激務だったら嫌だ、という人も多いでしょう。
まずは、自分の暮らしぶりから「いくらあれば生活していけるのか」を把握して、それに合わせて仕事を探してみるのが大切ではないでしょうか?
毎月の生活費、把握してますか?
家計簿をきちんとつけている人であれば、何に・いくらかかっているのかを正確に把握できていると思います。しかし、家計簿が三日坊主になってしまう人や、なんとなくでお金を使ってしまっている人は、自分が毎月いくら使っているのか分かっていないと思います。
毎月の生活費は、全体でいくらかかっているかだけではなく、それぞれの費目でいくらかかっているのかを把握するのがおすすめです。何に・いくらかかっているのかを把握していれば、もし生活が苦しくなったとしてもどこを削りやすいかが見えやすくなるからです。
◎住居費
賃貸なら家賃・共益費、持ち家や分譲マンションなら住宅ローンの返済額や固定資産税。
◎水道光熱費
年間の平均を出してください。季節による変動が大きいので、通帳の履歴を見ながらそれぞれ1年分足していき、それを12で割れば平均月額がわかります。
◎通信費
スマホやパソコン、固定電話などにかかっている費用。
◎生命保険の保険料
生命保険に加入している人は、月々いくらかかっているのか合計してみてください。ちなみに、保険料が多い人でも、終身保険や年金保険、学資保険など貯蓄性が高い保険に加入しているのであれば、実質的には保険よりも貯蓄とみなすこともできるので気にすることはありません。
◎ローン返済
奨学金の返済や車、エステのローン返済をしている人はその費用。
◎食費
外食に関しては、家族で外食したというような場合は食費に含めてかまいません。が、「ママ友とランチ」や「同僚との飲み会」などは小遣いに含める、仕事上必要な付き合いや保護者会の打ち上げなど断れない飲食に関しては「交際費」に含めるのがおすすめです。この方がやりくりしやすくなります。
◎日用品代、雑費
トイレットペーパーや洗剤などの日用品や、こまごました買い物。
◎交際費
上記にも示した通り、仕事上断れない付き合いでの飲食などにかかる経費。
◎冠婚葬祭費
友人の結婚式に参加する際のご祝儀や、お葬式に行くときのお香典など。いつ必要になるか分からないので、月々予算をとって積み立てておくのがおすすめ。冠婚葬祭が少ない人は、交際費に含めてもいいかもしれません。
◎医療費
病院にほとんど行かない人は「日用品・雑費」に含めてしまってもいいかもしれませんが、ちょくちょく病院に行く人は、別途費目を立てた方がわかりやすいでしょう。
◎子供費
子供がいる方は、子どもにかかるお金。学校引落や子どもの衣服代、習い事にかかる費用など。
このように、それぞれいくらかかっているのか計算してみましょう。
分からない部分はとりあえず概算で
家賃や光熱費など、銀行引落のものに関しては通帳を見れば金額がわかります。しかし、家計簿をつけていない人の場合、食費などはいくら使っているかまったくわかりませんよね。
そんな人は、とりあえずは現金で出ていくお金はまとめて「現金支出」としてとらえましょう。通帳を見て、現金で引き出しているものを見ていくらぐらい使っているのか確認してください。
ちなみに、家計簿をつけるのが苦手な人には、VISAデビットカードを使うのがおすすめです。最近CMでも見るようになりましたが、VISAデビットとは、クレジットカードと同じようにお店でカード決済ができるものですが、クレジットカードとは違い「後日請求」ではなく、カードを使った時点で口座から引き落とされるので、うっかり使いすぎてしまうことがありません。
また、VISAデビットカードを使っているとクレジットカードと同じように明細が見られるので、家計簿をつけていなくても何にいくら使ったのか分かるようになります。
「最低限」必要なお金を計算してみる
ここまでは、現状としていくらぐらい使っているのか、ということを見てきました。でも、まだ節約できるとことがあったり、一定期間だけなら我慢できる支出というのもあるはずです。
転職する際、しばらく無職になる期間ができてしまうこともありますが、その際も「最低限いくらあれば生活できる」というのがわかっていれば貯蓄の残高と相談して、「なんでもいいから今すぐ仕事を決めるか、もうちょっとじっくり粘ってみるか」ということも計算できます。
また、持病があったりして、しばらくがっつり働けなくなってしまった、というような場合でも、最低限いくら稼げば生活できるのかがわかっていれば、正社員でなくバイトにしたり、勤務時間の短い仕事も選びやすくなりますね。
では、最低限必要な生活費を計算してみましょう。
◎住居費
基本的に変わることはありません。が、長期間低収入が続きそうな場合は、思い切ってもっと安い家賃のところに引越する、という手段もあります。
◎水道光熱費
一定期間だけであれば、「エアコンの使用を極力控える」、「風呂水で洗濯したりトイレを流すのに使う」といったキツめの節約もできるでしょう。その場合、冬や夏でも、春秋と同水準程度の金額にまで抑えることが可能です。
◎通信費
基本的に変わることはありませんが、高いプランを選択している人であれば安いプランに変更したり、もしくは固定電話の解約、格安スマホへの変更などで支出を減らすことはできます。格安スマホの場合、最安で月に3,000円程度で持てます。機種本体があれば、通信費しかかからないので月1,000円程度にまで落とすことも可能。
◎生命保険の保険料
終身保険など、保険料が高い保険の場合は払い済み保険に替えることで保険料の支払をやめることができます。また、一時的な収入減であれば、契約者貸付制度を利用してしのぐことも可能です。
※契約者貸付制度とは、保険の解約返戻金から貸付を受ける方法。低金利で借りられます。
◎ローン返済
日本学生支援機構の奨学金返済の場合、経済状況が悪化した場合には返済を猶予してもらうことも可能です。手続きが必要ですのでしばらく生活が苦しくなると分かったらすぐに手続きしましょう。
◎食費等現金の支出
食費に関しては、外食をなくし、完全に自炊するだけでも減らせますし、さらに、おかずを一品減らす、という節約をすることも一時的になら可能です。日用品代も、安いものをえらぶようにするだけで支出カットできますね。交際費なども、もう少し減らせないか検討してみるといいでしょう。
それぞれの費目に関して、「がんばればこれぐらい減らせる」という目安の金額を計算してみましょう。このとき、短期間と長期間に分けて考えるのがおすすめです。転職のために3か月間無収入になる、というようなケースだと、3か月間だけ節約生活をすればいいので、生活費をぐっとおさえることができます。一方、子供が生まれるからしばらく働けないなど、長期間に渡って収入が減ることが予想される場合は、あまりキツイ節約をすると続きませんし、体調を崩してしまうこともあります。長期間続けても問題ないような節約に留めておきましょう。
こうして、自分がいったいいくらあれば生活できるのかがわかれば、仕事を探すときにもスムーズに探しやすくなりますから、ぜひ計算してみてくださいね。