人を動かした経験は、良い自己PRになる
2014年7月16日
自己PRにどんなことを書くか、面接で聞かれたときに何と答えるか、迷ってしまう人は多いと思います。そして、迷ってしまうのは、アピールしたいことがたくさんあって迷っちゃうのではなく、アピールしたいことが全然思いつかないからなんですよね……。
自己PRとして、特におすすめしたいのは、「人を動かした経験」です。人を動かした経験というのは、採用担当者にも評価されやすい強みなのではないかと思います。
「人を動かした経験」とは
そもそも、「人を動かした経験」とはどういうものでしょうか?
自己PRと言うと、自分がいかにすごいか、ということをアピールしなければならないのですが、あなたがスゴイ人間だったとしても、やはり限界はあります。
たとえば、あなたが1日に100件分のデータ入力をできるスキルを持っているとします。でも、一人で100件分のデータ入力ができる人よりも、1000件分のデータ入力を、人を使ってできる人の方がすごいと思いませんか?
小さな飲食店なんかで考えてみても分かりやすいと思います。
店長がとても優秀な人で、お客様への接客態度が素晴らしく、店長ファンのお客様が毎日10人いらっしゃる。これはすごいことです。
でも、店長がもっと優秀な人なら、その接客のノウハウを他のスタッフにも教えて、スタッフ一人ひとりのスキルを高めることによって、3人のスタッフがそれぞれ固定ファンを持ち、それぞれが毎日8人ずつお客様を呼べたらどうなるでしょう?店長がスタッフ教育のために接客に出られなくなったとしても、毎日24人のお客様が来られる、ということになります。
店長1人で10人のお客様を呼べるよりも、店が一丸となって24人呼べた方が、売り上げも格段に上がるでしょうし、店の雰囲気も良くなるでしょう。
人を動かすというのは、こういうことです。一人ですごいことをするのではなく、みんなでもっとすごいことを成し遂げる、その中心に自分がいた、という経験は、確実に強みになります。
具体的に言うと?
部活動や学級活動などでも、みんなで何かをやり遂げた経験というのはあると思います。
たとえば、
「文化祭のとき、正門のところに折鶴を飾ろうと思いました。でも、一人で毎日折っていても全然正門のアーチを覆い尽くすほどの量にはなりません。そこで、クラスのみんなに呼びかけて、一緒に作ってもらえるようにお願いしました。はじめは面倒くさいと言う人も多かったのですが、この年は震災があった年でもあり、わたしは折鶴にこだわる理由をあらためてみんなに説明しました。すると、その気持ちに賛同してくれる人が増えて、最終的には正門に飾りきれないほどの折鶴が集まりました」
というようなエピソードはどうでしょうか?
人を動かした経験を語るエピソードとしては、みんなを動かすために工夫したこと(こだわりを説明したこと)も盛り込まれていて、説得力がありますね。
もちろん、自分が率先してやったことでなくても、「クラス委員長を補佐するために、消極的な人には個人的に話してみたり、自分が先頭を切って実践したりと工夫しました」のように、補佐的な位置で活躍した経験でもOKです。
そもそも、誰もがリーダーになるわけではないのですから、補佐的な役割が得意な人というのも重宝されます。
このように、小さなことでもいいので、自分の働きかけによってみんなで何かを成し遂げた経験というのは、「人を動かした経験」として語ることができます。
何かを成し遂げた経験というのは面接でもたびたび出てくるものですが、たいていは単なる「成功体験」として語られるだけで、「人を動かすことのすごさ」にフォーカスされることはあまりありません。
もし、何か少しでもこういう経験がある、という人は、ぜひ自己PRに取り入れましょう。きっと、採用担当者の心に響く話ができると思いますよ。