「あなたの強みは何ですか?」でありきたりなことを言ってはいけない
2014年7月10日
面接を受けるとき、よく聞かれるのが「あなたの強みは何ですか?」もしくは「自己PRをしてください」です。
これは本当に定番の質問なので、面接にかける意気込みがある人なら必ず回答を用意していると思います。でも、せっかく用意した回答が、いまいちな内容になっていないでしょうか?
「そりゃそうでしょ」のツッコミ待ち自己PR
「わたしは、家庭教師のアルバイトをしていました。ただマニュアル通りに教えるのではなく、生徒一人ひとりの実力に応じて、きめこまかく指導内容を変えるようにしていました。その結果、生徒の成績は上がりました。この経験から、わたしは親身になって対応することの大切さを学びました。」
そりゃそうでしょ。
って言いたくなりませんか?家庭教師の仕事は、生徒に勉強を教えることではありません。生徒の成績を上げることです。そして、成績を上げるためには、親身になって、生徒の実力に合わせた指導をする必要があります。
当然のことをドヤ顔で言っていても、魅力的な自己PRにはならないのです。
「誰にでもあてはまるよね?」のツッコミ待ち自己PR
「わたしは、真面目な性格です。授業にも遅刻しないようにしていました。ときには遅刻してしまうこともありましたが、そのときは心から反省し、遅刻を繰り返さないようにがんばりました。授業中には先生の話に集中するようにして、分からないことは積極的に聞くように心がけていました。」
この自己PRはかなりダメな自己PRです。誰にでもあてはまるようなことを言っているだけだから。
まず「遅刻しないようにしていた」ということをアピールするなら、「1回も遅刻したことがありません」ぐらいのエピソードが無いと、弱いです。遅刻しないようにしていました、と言いながらすぐに「ときには遅刻してしまうことも」なんて言っていてはいけません。誰だって、遅刻しないように気を付けてはいるけど、それでも遅刻してしまうものなんですから。
また、授業に集中するのも当たり前の話であって、誰もが心掛けていること。分からないことを積極的に聞くことを「心掛けていた」という表現も弱いです。
心掛けていたのは本当かもしれませんが、心掛けていた結果、本当に積極的に質問していたのでしょうか?本当は、「積極的に聞いていこう!」と思っているだけで、いざ分からないことがあると恥ずかしくて聞き出せなかったのではないでしょうか?
意地悪な見方かもしれませんが、面接官はあなたのことをよく知らないのですから、ネガティブな見方をしてしまうこともあるものです。
ポイントは「具体性」と「ストーリー性」
強みというのは、たいていありきたりなものです。
「努力家」「意志が強い」「協調性がある」などなど、面接官からしたらどんな強みだって、何度も聞いてきたものばかりです。
そんなありきたりな強みでも、個性的で魅力的な自己PRに変えることはできるんです。
ポイントは、「具体性」と「ストーリ性」。
まず、具体的な言葉を使って説明することが大切です。さきほどのダメな例のように、「心掛ける」という言葉は抽象的です。「がんばる」という言葉も同様ですね。
具体性を出すためには「数字」を使うのも効果的です。
「生徒の成績がすごく上がりました」と言うよりも「生徒の成績は、平均56点から、平均83点まで伸びました」と言う方が具体性があって、面接官が「すごい!」と思いやすいですよね。
次に、「ストーリー性」です。
自己PRでは自分自身の成功体験などのエピソードを盛り込むものですが、その際には、そのエピソードにストーリー性があるかを考えましょう。ただ事実を羅列するだけではドラマティックではありませんし、場合によっては自己PRには不要な情報まで盛り込んでしまうこともあります。
効果的に自己PRするためには、話の流れや選ぶ言葉を工夫して、ストーリー性のある内容に仕上げる必要があるでしょう。
自己PRでありきたりなことしか言えない場合は、面接官の印象に残らないばかりか、「話が下手」という悪い評価をされてしまう可能性もあります。また、話の内容がまずければ、自分の強みをアピールするつもりが、「真面目って言うけど、要は頑固で融通が利かないタイプなんじゃないの?」とマイナスにとられてしまうこともあるのです。
自己PRを考えるときには、自分一人で考えるのではなく誰かに添削してもらうなどして、じっくり練り上げるようにしてくださいね。もちろん、履歴書に書く自己PRも同様です。自分の魅力を伝えるために、ありきたりでつまらない内容にならないように気を付けましょう。